キセノンXeの発見者 W・ラムゼーさんとM・トラヴァースさん

キセノンはビルや住宅で使われる複層ガラスの断熱効果を出すためにガラスの間に封入されているガス。発見者はノーベル賞化学者のラムゼー先生(6月25日参照)と20才年下の弟子トラヴァースさん。トラヴァースさんは20代で新しい希ガスを発見するという快挙を成し遂げる。その後、30代はインドでイギリス流の理科大学を新設するプロジェクトに身を捧げる。今回は発見と貢献の人トラヴァースさんをご紹介する。

モーリス・ウィリアム・トラヴァース Morris William Travers 1872–1961 イギリスの化学者。

1872年、ロンドンのケンジントン生まれ。父は医師で無菌手術のパイオニア。
教育
ケント州ラムズゲートのブランデル学校で教育を受ける。
ユニバーシティ・カレッジに入りW・ラムゼイ先生の下で、新しく発見されたアルゴンガスやヘリウムガスの性質を見極める作業を行う。

発見
1898年(26才)ラムゼー先生と共に大量の液体空気を作って分離蒸留した。沸点ごとに分留し、スペクトル分析にかけてクリプトン、ネオンそしてキセノンを得た。化学者の仲間から「希ガスのトラヴァース」と呼ばれる。

名称
語源はギリシャ語のxenos。「異邦人」や「なじみにくいもの」という意味でキセノンの揮発しにくさを表わしている。

その後 インドで大学新設
1901-02年(29-30才)インド政府とタタグループの創立者JN Tata氏からインドで理科大学(IIS)を設立するためのアドバイスを求められる。ラムゼー先生からの後押しもあり、協力開始。狙いはインペリアル・カレッジ・ロンドンのインド版だった。途中JN Tata氏と政府の齟齬に悩む。
1904年(32才)ユニバーシティ・カレッジの教授に就任。
1906年(34才)IISの責任者として現地のバンガロールに出張。
1911年(39才)総合、植物、応用化学、電気工学の4学部でIISがスタート。
1914年(42才)第一次世界大戦の勃発のためインドを離れイギリスに帰国。ダクラス社でガラス製造工場を監督。

その後2 技術の応用と普及
1920年(48才)Travers and Clark社を起業。石炭からガスを取り出したり、これに付随する高温炉や燃料制御技術を提供する会社。
1927年(55才)ブリストル大学に応用化学の名誉教授として着任。極低温技術や液体ガスの正確な温度測定技術の研究を継続。ヨーロッパで液体空気を製造する工場建設のサポートも行った。

晩年
1956年(86才)恩師ラムゼー先生の研究活動を網羅した伝記「The life of Sir William Ramsay」を出版。

https://en.wikipedia.org/wiki/Morris_Travers
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%82%BB%E3%83%8E%E3%83%B3#:~:text=%E3%82%AD%E3%82%BB%E3%83%8E%E3%83%B3%EF%BC%88%E8%8B%B1%3A%20xenon%E3%80%81%E7%8B%AC,%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%BC%E3%83%BC%20(W.